「ヘヴィ・ペンデュラム」CD (2022)
■2018年春にケイラブ・スコフィールド(B/Vo)が急逝して以降、ケイヴ・インは数本の追悼ライヴと『leave them all behind 2020』でのヘッドライン出演/来日公演を含むツアーを敢行。生前のケイラブと共に取り掛かっていたレコーディング・セッションのテイクを元に追悼アルバムとして『ファイナル・トランスミッション』(2019)を完成させ、バンドのある一時期を締め括った。後任として加入したネイト・ニュートン(コンヴァージ/オールド・マン・グルーム/ドゥームライダーズ)と共に新体制で新作に取り掛かっていることは漏れ聞こえて
いたが、ここに完全新録のアルバムが完成した。スタジオで制作したプロパーのアルバムとしては『ホワイト・サイレンス』以来、実に11年振り。インターナショナルでの所属レーベルをRelapseに移籍しての第1弾でもある。
■久々にカート・バルー(コンヴァージ/ゴッドシティ)とタッグを組んでの制作。バンド・サウンドを的確に捉え最大限のダイナミクスを引き出したカートの手腕はさすがで、両者の25年以上に渡る信頼関係が垣間見える。ほぼ全曲がネイト加入後に共作したものだが、ケイラブが書き残した歌詞やリフをまとめ上げたものも数曲あり、最初期からの理念と世界観が現在まで1本線でつながっている。
■作品ごとに細かい方向性は異なるものの、ケイヴ・イン・サウンドの肝であるメロディ+ハーモニー/リフ/ツイン・ヴォーカル/ツイン・リード・ギター/怒涛のグルーヴは不変。加えてここ数年の世相や世界情勢を色濃く反映したことで、とりわけヘヴィさに磨きが掛かった。メロディ溢れるオルタナティヴ・スタイル、アンセミックなハードコアからスペース・ロック、前作『ホワイト・サイレンス』で顕著だったサイケ色強めのヘヴィロック、フォーキー+アーシーな曲までヴァラエティ豊か。全過去作それぞれの要素を凡そ全て持ち合わせた印象だ。
■日本盤のみ、先日解散を発表したエヴリ・タイム・アイ・ダイの"ムーア"カヴァーをボーナス・トラックとして追加収録。
Including a bonus tracks "Moor".
Track list
1.New Reality
2.Blood Spiller
3.Floating Skulls
4.Heavy Pendulum
5.Pendulambient
6.Careless Offering
7.Blinded By A Blaze
8.Amaranthine
9.Searchers Of Hell
10.Nightmare Eyes
11.Days Of Nothing
12.Waiting For Love
13.Reckoning
14.Wavering Angel
15.Moor (日本盤ボーナス・トラック)
2022/5/25
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